東京大空襲と家族

昨日は東京大空襲から63年。
TBSのドラマも見たよ。
この東京で10万人以上が燃えただなんて、想像付かない。

家族の話。

社会人になってから、おばあちゃんにもう一人妹がいて、その息子2人と一緒に大空襲で亡くなったと知った。
そして知った頃には祖母はアルツハイマーが進行していて詳しいことを聞くことはできなかった。
ずっと祖母は祖父と出会い恋愛をしていた頃の話を繰り返し繰り返し話してくれるのだけれども、亡くなった妹の話は全然しなかった。

もうひとりの妹、わたしにとっての大叔母とは家を行き来するように仲良くしている。

そこで初めて写真をみた。どことなく誰かの面影を感じる女性と、幼い兄弟。
祖母はその妹と息子たちの写真を全て焼いてしまったと言う。
一瞬ひどいとも思ったが、それだけの悲しみだったんだろう。

その日、彼女の旦那様は会社の建物を守るため残った。残る家族は川の方に逃がした。それが結果皮肉な生死の分かれ目となる。
夫は生き残り、妻子は死んだ。下の息子だけ、きれいな顔で川縁に上がっていたと言う。

夫はしばらくして再婚して、消息は誰も知らない。
一度は家族だった人なのに。
もう死んでいるかもしれないけれども、どんな気持ちだったんだろうか。誰も知らない、誰かに伝えなければいけない事実がこうやって消えていったと思うとなにかいたたまれない気持ちになる。

テレビの中の写真に無数の焼死体が写っていたが、もしかしてこの中に知らない大叔母がいるのかもしれない。
焼かれて死ぬのと溺れて死ぬのはとっても嫌だな。

そして小さい子どもが死ぬようなことにどんな「しょうがない」があるのかな。
と普通に思う。

まあありえない。

というわけで、しんみりした一日でした、昨日は。