DVD三昧

あんまり遠くに出歩くと、
「お客様の中に産婦人科のお医者様は……!」
とすっちわーですさん的な職種の人に迷惑をかけそうなので、基本家の周辺の散歩とおうちでDVDを見ている。
DVDは映画3本とドキュメンタリー2本をここ二日で見る。


ゆれる [ 西川美和 ]

ゆれる [ 西川美和 ]

「ゆれる」
あちこちの映画雑誌とかその辺で評判が良かったので借りる。
女監督、二作目、おされ邦画、兄弟のココロの葛藤……など、おしゃれ邦画にありがちなぐだぐだストーリーとイメージ映像で眠くなるよーなの(例:「水の女」など)かとちょっと恐れながら見たけれども、結構面白かったヨ!

この監督、たぶんそうとうひねてて意地悪さんと見た。(いい意味で)酒とか一緒に飲んだら楽しそう。

おだじょー扮する売れっ子カメラマンと、地元で家業を継いでいる35歳独身兄(香川照之)、おだじょーの元カノで東京に一緒に出る事を拒んだ地元でくすぶってるかわいこちゃん(真木よう子)がメインキャスト。

それぞれ描写が本当に意地悪で、あるある、的な共感をぐっと覚えさせつつわざとらしくない。

・おだじょーの売れっ子カメラマン
→たぶんなんか、実際にモデルいるんじゃねーの?そしてそれは私もあったことがあるんじゃねーの?ってくらい、イケイケのファッションフォトグラファーの特徴を押さえてます。大体、ああゆう車、スタジオを選びがちよね。あと仕事のときの電話の心のこもってないハイテンション、アシスタント(男)に厳しい、アシスタント(女)は好みで選ぶ、謎の業界感を醸し出すファッションとか、たらしぶり。げんなり。

・独身兄のキモ感
→地元に残ったココロ優しく、だけど女性にモテない男の生理的気持ち悪さの表現が素晴らしい。イチイチきもい。洗濯物を畳んでる後ろ姿の襟足、スーツの足にこぼれる酒、かわいこちゃん女子に対する、むっつりキモい接し方など全てが最悪です。香川さんの演技もすごい。

・成功した元カレに対する昔の彼女の打算ぶり
真木よう子無名塾出身なんだってね! 邦画でよく起きる麻生久美子小日向しえの光る存在感に近い。ガソリンスタンドの制服姿が一番かわいいという素材メインのかわいこちゃん、またもやおされモデル出身かと思いきや結構本格派なのねえ。
おだじょーの成功を見て、一緒に東京に行かなかったことを後悔してて、あわよくばよりを戻そうと計算してセックス。
その後「あの頃は楽しかったでしょ?」と言わんばかりの世話焼きぶり。手料理を作ろうとするときに「しいたけ嫌いだったよね〜」みたいなセリフ。こわ〜。私服のダサ感もツボを押さえてるわ。

ストーリーもきちんと起承転結とどんでん返しとミステリーが考えられていて(当たり前なんだけどさ〜なかなかナイよね)、これら人物描写とあわせて、ちょっとしたほころびなど目をつぶろうという気にさせる出来。まあなんつーかスキがない面白さ。

一見優しい田舎のキモさや、東京で浮き草稼業してる人の生き様など、自分に当てはまる事も多かったからかな。
故郷だからって、家族だからって、どうして無条件で愛せると思うのよねー。一見おしゃれきどりつつも所詮田舎者……ココロに痛いわ!

硫黄島からの手紙

硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版) [DVD]

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地元の英雄、栗林中将でてるし二宮クン可愛いし……。戦記物は鬱になるのであまり見たくないのですが、これならネットにあるガチの帰還兵の手記のほうがよっぽど鬱になるので良かった。全体的にさらっとしてました。二宮クンがあんなにおいしい役どころとは知らなんだ。ほぼほぼ主役やんな〜。モノローグとか担当しちゃって。そんなパン屋の亭主の話はまあまあ軸として良かったとして、栗林さんが立派すぎて共感まではいま一歩、もっと踏み込んで描写してもいいんちゃう? バロン西のストーリー分くらい充てて。だってアメリカ帰りの合理主義者の苦悩という意味でもかぶり気味だし。加瀬亮もなかなか良かった。良くなるまでが長かった気もするけど。それと中村獅堂はなんだったんだろう。二宮クンは日本のテレビのバラエティとか現代ドラマで見ちゃうとなかなか地味だけど時代物にはとっても良いね。まつじゅんだとキラキラしすぎちゃうからね。


メゾン・ド・ヒミコ

おだぎりじょーはVネックを着るとセクシーだ! ということが分かりました。柴崎コウのブス演技は見ものよ。目鼻くっきりだからできる技よね。ほかウス顔の女優がやったらコードギリギリになっちゃうわ。今更だけど柴崎コウ片平なぎさは似てるの。スチワーデス物語の古い映像で若いなぎさを見てコウに似てるわ、と思ったんだけど、本作で柴崎コウを見てなぎさに似てるわって思ったから相当間違いない。そもそも柴崎コウ中谷美紀も似てて、それら三人が全部「嫌われ松子の一生」に出てたから業界的にはきっと今更なのよね。

「世界に衝撃を与えた日 マンハッタン計画の始まりとチェルノブイリ事故」

BBC 世界に衝撃を与えた日-9-~マンハッタン計画の始まりとチェルノブイリ原発事故~ [DVD]

BBC 世界に衝撃を与えた日-9-~マンハッタン計画の始まりとチェルノブイリ原発事故~ [DVD]

このBBCのドキュメンタリーははずれもあるがあたりもある。原子力系の話もまたトラウマ系なんだけど、ついつい見ちゃうんだよねー。世界初の臨界実験成功の時と、チェルノブイリ原発事故が起きるまでのドキュメンタリの2軸で話が。たぶん科学というよりなんとなく文学的なアプローチで興味があるのかもねー。パンドラの箱ちっくな感じするやん? ところでうちの旦那が初めてあたしの実家で父親に会ったとき……たぶん父親もテンパってたのかとおもうけど、昔ロスアルトスで働いていた思い出話からいつのまにか原子力とか臨界実験のしくみの話になっちゃってほとんどその話で終わったの。まあ……理系バカだから初めての人で娘の彼氏にどんなお話でもてなしていいか分からなかったのね。でも二人ともきょとんよ。制御棒?棒?みたいな。
そんなきょとんを前半のマンハッタン計画のドキュメンタリでは、実験装置の仕組みを分かりやすく解説してくれた。それを視聴者に理解させておいて、チェルノブイリがどうして起きたのかを説明するから繋がる繋がる。わかりやす−い☆ アメリカとゆう新大陸でイタリアやドイツ(手先が器用そうな西欧諸国)から亡命してきた科学者が実験を成功させ、きょーさんしゅぎの思考停止の国であり得ない事故が起きる、という対比でもあるのか? とりあえずチェルノブイリ不二家の不祥事くらいのいい加減なキモチでミスられて本当に怖い。飲んでたんじゃねーの?ウォッカとか! 未だに汚染された土地で暮らす人たちに深く同情。


あと同じシリーズで王家の谷の発見のも見たけどこれは今イチ。不思議発見のほうが面白いくらい。

この他「キンキーブーツ」と「プロフェッショナル仕事の流儀」二本が待ってる。録画した大河ドラマとNスペも……掃除したら見よう。