お母さんスイッチ

ベビーマッサージとかヨガとか、その辺の集まりに出席することが多くなった最近ですが、ぼんやりしてるとすぐスッピリチュアルなことを言い出す講師とかがいるので油断なりません。

優しく人当たりのいいママ友達から、「環境に優しくてアトピーが治る洗剤」をお勧めされたりしたらどうしようという心配もつきません。

そもそも妊娠・出産は、常にナチュラルな質の良い脳内麻薬でキマってる状態が続くので、もう何を食べてもおいしいし、何を見ても泣けるし、気付くととてもぐろーばるな……地球規模の問題に胸を痛めだしたりします。もしかするとそれまでキャリアウーマン的なドライな女性ほど振れ幅は大きいかもしれません。

それはまるで、それまでまじめに勉強しかしてこなかった人が都会ですすんでるお友達に世界の陰謀や音楽や大麻などを教えられて一気にヒッピー化するようなものです。劇薬過ぎるので気付いたら手遅れになっている場合が多い。

非常に、その手の集まりにわざわざ諭吉単位で会費を払って参加しようとする人は育児に対する態度も真剣なのに、系列としては

・セレブママ(笑)を目指す素敵集会
ロハス(笑)な自然派集会

の2パターンしかないような気がしてなりません。


あたしがこないだまでいってたところで萎えたのは

「赤ちゃんには抱っこが大事です。とある国で恐ろしい実験があって……。赤ちゃんを、抱っこして育てるグループと抱っこしないで育てるグループに分けたところ、抱っこしないグループの赤ちゃんは全部死んでしまいました。どこの国か忘れちゃったけど本当の話です(断言)」

「赤ちゃんからはストレスを癒す物質がでているので、お父さんにも抱っこさせてストレスを取ってあげましょう!」


とか。抱っこは情操教育に大事だし、父親の育児参加もあるにこしたことない。という、そのまま言っても誰も異を唱えないようなことを言うのになぜ意味の分からない嘘んこ話を引用するのか謎。一人で「ソース出せソース」と心の中でソース厨。いちいち科学的根拠あるように装うのもちょっと……。


あと日焼けどめの話で、紫外線を拡散して防ぐもの(鉱物の粉末で物理的にガード)と、紫外線吸収剤のちがいがあって前者の方がかぶれにくいという話をするのにものすごいところ(地球とか宇宙)から話を引用して来てめまいがした。

それと、「好転反応」ね。
wikiより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%BD%E8%BB%A2%E5%8F%8D%E5%BF%9C
自然療法界の免責事項ね。好転反応のこ……の字がでた時点でできるだけ遠くに逃げたほうがいい。これはマジで。

というわけで、わざわざ一諭吉二漱石を払ってまでこんな話を聞かされて俺涙目w。

その他は、絵本の話とか、ストレッチとか、得たものも多かったんだけどね。
この世のほとんどの人がいまや大学出てるというのに、中学高校で化学や物理を習っているはずなのに、まあ科学的知識がなくても、国語も社会も、常識を身につけて、論理的思考を育む練習だというのに、どうしてこう、そっち、行きがちなんでしょうね。
まあ、身近な出産という経験が、思いのほかぶっとんでるから、なんでしょうね。

今振り返ると、これ、出て来たの?私の体から?って感じだもんね。
ほとんど臨死体験のようなもの。というわけで経産婦さんの全てが丹波哲郎級の主張をしてもおかしくないわけなので、まあこれくらいで済んだと喜ぶべきなのかもしれませんね。