夏と死

今日渋谷スクランブル交差点で、人だかりができているので覗き込んだら人が倒れていた。
不自然に曲がった顔の下には血の池。
轢いてしまったギャル男も警官も周りの人もなぜか奇妙に静かなのだった。呼びかけるでもなく触れるでもなく(まあ頭を打っているの確定だったからだと思うが)
ぴくりともしない男の人は死んでいるのか生きているのか死にそうなのか一見しただけでは分からず、死んでいるとしても誰か一応泣き叫んでいる人がいないと滑稽に写ってしまうものだと思った。
渋谷駅って怖いや。ここで死んだらこんなに人がいるのに、きっと放っておかれちゃうんだろうなあ。

東京中が大きなエアコンの室外機に囲まれてるような変な暑さで、一番最初に夏と死ぬことが繋がったのはまちがいなく6歳の頃の日航ジャンボ墜落事件で終わらない夏と蝉の声とお盆とたくさん人が死んだこととが一緒になって「あれ?」って感じだった。そして、時々あのときの「あれ?」って感じがぶりかえってくる。