放浪したりクラブ出入りするだけじゃ何者にもなれない

40歳くらいの割と有名なデザイナーや作家さんや料理研究家さんと話すと、
「わたし(僕)は今でいうフリーター(ニート)だったかもしれない」
「20代の頃は、東南アジア(ヨーロッパ)を放浪してた」
「クラブに出入りするようになって(編集部に遊びにいったりして)なんとなく仕事が回って来た」
なんていう人が多い。
これだけ聞くと、20代のあたしとしては、「そんな人周りにもいっぱいいるけど普通に就職したり長い夢を追っている人が多いけどな〜」
とか思ってしまう。

単に、「なんでも初期にやる人がすごい」ってことですよね。うちらの同年代で「タイに一ヶ月行く」とか言われると、「お前もタイかよ!」って突っ込まれる、というか、海外旅行なんて普通だし、自分探しとかかっこわるい、みたいな雰囲気。

同時にクラブや編集部出入りも同じ。あたしも、「東京に行ってクラブでおしゃれクリエーターと知り合って、遊び心でプロデュースされたらどうしよう!」なんて思ったけど、オザケンさんの友達の人に、SDPのブリッツのライブをただで見せてもらったり、朝本浩文のDJブースをがぶりつきで見たりくらいのことしかなかった。2000年以降は、よりいいことがなかった。(まったく80年代のトーンで話すと、「おしゃれエリート」がクラブではヒエラルキーのトップという風習が無くなり、ギャルが増え、おしゃれ志向の人は夜はお家でまったりという転換)

http://d.hatena.ne.jp/katie_tommy/20060818

これも前ふと思った、文化的断層がなくなった時代ゆえのアレなのかな。
「仲間内感」でのクリエーター方面での出世が無くなった今、ぱっと周りを見回すと「まじめ、徒弟制度の復活」。
学生時代から、インターンで大先生についたり、執筆活動をしたり、スクールに通ったり、アシスタントから経験を積んでデビュー。
そういう感じが多い気がする。

あと10年したらまた、冒頭のようなタイプが多くなる気がすると予言して、筆を置きます。