ライブドア関連本で野次馬ワイド

旦那が宮内亮治の「虚構ー堀江と私とライブドア」(「部屋とYシャツと私」的乙女チックタイトル)を買って来た。

虚構 堀江と私とライブドア

虚構 堀江と私とライブドア

その前は平松庚三の「ボクがライブドアの社長になった理由」を買って来た。両方とも泡沫本っぽいデジャブ感バリバリのタイトルセンスはまあ置いといて、非常に対岸の火事としてワクワク読むのに面白かった!

「薮の中」みたいにそれぞれの立場で捉え方はもうこんなに違って見えるという好例。


宮内さんの本は、大人げないほどの「ほりえもんは変わった」というのとどれだけ自分が社会人として苦労して常識的かアピを、気を抜くとすぐに混ぜてくる。
ほりえもんを非難だけするのではなく一歩上からわかったふりをして論じる事で自分をあまり悪者にしないように見せ相手をおとしめるテク(よく女子コミュニティで行われる奴)なども多用。まーそれはどうでもいいんだけど、死んだ野口さんについて語っているところがなんていうか……棒読み?(文章だから棒書き?)感がじんわり伝わってくるのが見所。
「彼の死には色々噂されていますが……まあ正直に僕の見た彼のことをお話ししますと……実はライブドアだけじゃなくて他のヤバいM&Aなんかも手がけてたみたいなんですよねー。よく知らないケド☆(となんとなく責任転嫁アピール)そんなストレスもあって、彼が死を選んでしまったのはもちろん僕らにも原因があるので本当に哀しいです!(さらっと自殺を確定事実のように扱う)」といったトーンです。

あんた何か隠してるでしょ!?と痛くもない腹を探られかねない棒読みぶり。必読ポイントです。

平松さんの本は、一言で言うと彼は「わらしべヒッピー」。そんな感じです。まあもちろん優秀だからこそこのポジションなのは分かるんですけど、なんかアクも強くないし、この仕事で世界取ったるでーみたいな野心も感じられないし、留学先でブラブラマスコミの仕事をして、新卒採用で年齢制限にひっかかったりしたところをナベツネの一声で天下のソニーに入れてもらったり、いきなりインドだかチベットだかで僧になってみたり、色々途中で社長にいきなり任命されて戸惑ってみたり(この辺少女漫画の、普通の少女がセレブの嫁候補に!?みたいな感じ)わらしべっていうか高級ヒッピー? すごい趣味の世界が多そうで、ビジネスというよりはどれだけ人生を楽しむかを主題として生きているように思えました。これはこれで一番あたし的には共感。なんでライブドアに行く事になり、なんで社長になったのかもうちょっとよく考えた方がいいと思います。余計なお世話ですね。でも好きですよ!(しつこい??)

なんていうか、自伝としては話題の事件がなければ自費出版でいいクラスなんですが、宮内さんのは怒りと言い訳したいあまりに色々隙だらけという面白さ、平松さんのは「こんなおじさまって素敵☆」と(高田純次が好きそうな)OLさんたちに受けそうな面白さがあり、妙に読ませる勢いがありました。